
「英会話を勉強しているけど、なかなか上達しない…。どうせ勉強するなら、科学的に正しい方法で勉強したい!」
こんな疑問に答えます。
・英会話をしているときに頭の中で起こっていることを解説
・科学的、言語学的に正しい英語の勉強法を紹介
・自分の英会話の弱点と、それを克服する勉強方法がわかります
英語を理解するプロセスを大きく分けると「インプット」と「アウトプット」の2つに分かれます。
インプットでは2つ、アウトプットは3つのことが脳内で起こります。
・音を聞き取る(音声知覚)
・意味を理解する(意味理解)
アウトプット
・言いたいことが概念として浮かぶ
・英語にする
・発音する
この記事ではそれぞれを具体例を交えて解説していきます。
音を聞き取る(音声知覚)
リスニングの1つ目のプロセスは、英語の音を認識することです。
日本人は、英語にしか存在しない発音に慣れていないことが多いので、ここでつまづく場合が多いです。
例えば「I like him.」とアメリカ人が発音すると、「アイ・ライク・ヒム」ではなく「アイ・ライ・キム」と聞こえます。
「アイ・ライ・キム」=「I lie Kim」?
「キムに嘘をつく?」どういうこと??
というように間違った認識をしてしまいます。
英語の音が聞き取れない原因は2つです。
・そもそも聞いたことがない音がある
音声知覚が苦手な人の例
例1:音のつながり(リンキング)が苦手
「He is kind of weird, right? 」(彼って変わってる感じだよね…)という文を例に考えてみます。
この文章の「kind of」の発音は日本語にすると6パターン以上あります。
・カイナ
・カナ
・カイノ
・カインドブ
・カインドオブ
など…
「He is」も「ヒズ」「ヒーズ」の2パターンあります。
これらの言い方を知っていて、さらに慣れていないと、何を言っているのか聞き取ることができません。
例2:聞き取れない(聞きなれない)音がある
例えばRとLは日本語の音にはないので、音の違いを知らないと聞き取りづらいです。
また母音に関しては、日本語はアイウエオの5つですが、英語には20以上の母音があります。
解決方法
・英語ならではの発音に慣れる
・英語独特の音のつながり(リンキング)に慣れる
そもそも聞いたことがない音がある
・その音を発音できるようにする
効果的な勉強方法
音のつながりや変化が苦手な場合
ディクテーション→速聴→シャドーイングの3ステップの勉強が最も効果的です。
速聴:1.25倍、1.5倍速の音声を聞く
シャドーイング:英語の音声に0.5秒遅れで発音する
そもそも聞いたことがない音がある場合
この場合、発音を覚えてしまうのが一番効率がいいです。
参考:リスニング上達には英語の発音勉強!その理由と学習方法を解説
意味を理解する(意味理解)
音声知覚で認識した音を単語として理解して、さらに単語を文章として理解する段階です。
単語や文法でわからない部分があると、音声が聞き取れたとしても、意味が理解できません。
例えば、音声知覚で「I like him」と文章ができたとします。
「I」は「私」、「like」は「好き」、「him」は「彼」という意味だな。
主語が「I」で動詞が「like」で目的語が「him」だから、
文全体の意味は「私は彼が好きです」だ。
文法や単語がわからないと、どこかの段階でつまづきます。
解決方法
「単語・文法を覚える」
簡単ですがこれだけです。
効果的な勉強方法
単語については、単語帳アプリ「Anki」を使うのがオススメです。
紙の単語帳と違ってコピー&ペーストで単語帳を作れるのでかなり効率がいいです。
パソコン版は無料で使うことができます。
参考:最強単語アプリAnkiの使い方【iPhoneやAndroidでも使えます】
文法は「自分で調べる」「誰かに聞く」の2つの方法があります。
「誰かに聞く」は身近に英語に詳しい人がいない場合には英会話コンサルタントというサービスがあります。
参考:【英語初心者向け】基礎固めにおすすめの本・教材【文法書と単語帳】
参考:英語コンサルタント・コーチング式英語スクールとは【システムと学校一覧】
英語のリスニングを勉強している人のほとんどは、「英会話ができるようになりたい人」だと思うので、自分で使えるようにしてしまうのも効率のいい勉強方法です。
文法を使うためには「瞬間英作文」のトレーニングが最も効果的です。
参考:瞬間英作文のおすすめアプリ&教材【正しいやり方と効果も解説】
言いたいことが概念として浮かぶ
脳が何かの様子を思い浮かべている状態です。まだ日本語にも英語にもなっていない状態です。
これができない人はいないので、特に解説することはありません。
英語にする(文章化)
頭に浮かべたことを文章にする段階です。
文章化が苦手な人の例
例えば、「あの椅子に座っている男性はスマートフォンをぎこちなく使っている」
この状態を頭に浮かべて、英語にしていきます。
答えは「The man who sits on that chair is using smartphone awkwardly.」
「あの男性」と「椅子に座っている」を「who」で繋げられなかった→文法力が課題
言えるけど時間がかかる→文章化に慣れていないことが課題
解決方法
・わからなかった文法を調べる
・文章化に慣れる
効果的な勉強方法
単語・文法の学習に関しては、Ankiという単語帳を使うと効率よく覚えることができます。
文章化に慣れるには、「瞬間英作文」のトレーニングが一番効率がいいです。
瞬間英作文:出てきた日本語や場面を制限時間以内に英語で表現するトレーニング
1番おすすめの教材は、「どんどん話すための瞬間英作文」です。
「瞬間英作文の詳しいやり方」と「その他におすすめできる教材」をこちらにまとめたので、参考にしてください。
参考:瞬間英作文のおすすめアプリ&教材【正しいやり方と効果も解説】
発音する(音声化)
文章化でできた文章を発音する段階です。
発音がしっかりできているかどうかで、相手に伝わるかどうかが決まります。
日本人のカタカナ英語で話すとネイティブには伝わりづらいですが、伝わらないことはないので、そこまで気にしなくて大丈夫です。
音声理解も文章化もできるようになった後に発音にも気をつけてみると、よりスムースにコミュニケーションが取れるようになります。
解決方法
・英語独特の発音を覚えて、自分でも使ってみる
効果的な勉強方法
発音やリンキングが正しいかどうかは自分で判断するのがなかなか難しいです。
また、イギリス、アメリカの発音は大きく違うので、どちらの国の発音に近づけたいかによって勉強する内容も変わります。
この2つの方法がおすすめです。
2ネイティブの先生 or 正しい発音を知っている日本人の先生に発音を教わる
発音矯正アプリはこちらにまとめてあります。
参考:【厳選】英語発音のおすすめ教材・アプリ・YouTubeチャンネル
まとめ:英会話での日本人の弱点は「音声知覚」と「文章化」
インプット(リスニング)
・音を聞き取る(音声知覚)
・意味を理解する(意味理解)
アウトプット(スピーキング)
・言いたいことが概念として浮かぶ
・英語にする
・発音する
この中で日本人が苦手としているのは圧倒的に「音を聞き取る」と「英語にする」です。
この2つの能力は英会話の授業を受けることでも成長するのですが、シャドーイングや瞬間英作文の方が、はるかに高い効果があります。
シャドーイングと瞬間英作文が練習なら、英会話が試合というイメージです。
練習あっての試合です。
どちらの勉強法も正しいやり方があるので、こちらを参考にして実践してみてください。
参考:シャドーイングの効果と正しいやり方【英会話上達に必須の勉強】
参考:瞬間英作文のおすすめアプリ&教材【正しいやり方と効果も解説】
また「音声知覚」と「シャドーイング」の基礎になるのが単語と文法です。
基礎文法と単語に自信がない場合は、【英語初心者向け】基礎固めにおすすめの本・教材【文法書と単語帳】が参考になるかと思います。