
英語の発音記号について知りたい人
「英語には発音記号があるって聞いたけど、なんのことだ?発音記号って覚える必要あるのかなぁ…。覚えなきゃいけないなら、それぞれのアルファベットの発音を知りたい!」
こんな疑問に答えます。
・英語の発音記号とは何か
・発音記号を覚える意味
・発音記号の一覧と音声の例
記事の信頼性
この記事を書いている僕は、英語勉強歴7年ほど。
大学では、第二言語習得(効率のいい英語の習得方法を学ぶ学問)と英文学を専攻していました。
現在は、ネイティブに近いレベルで英語を話せるようになっています。
今回は、英語の発音記号とは何か、発音記号を覚える必要があるのかを解説します。
結論から言うと「英語の発音を独学で習得したかったら、発音記号を覚えるべき」です。
発音記号とは何か
発音記号とは、いろいろな言語の音をアルファベットに似た文字で表したものです。
例えば[ˈtʃalɪn(d)ʒ]こういった記号です。
英語を調べるときに使う辞書には必ず発音記号がついており、発音記号を使うとどんな音でも文字にすることができます。
日本の辞書にはJones式と国際音声記号(IPA)のどちらかが使われていますが、この記事では、世界的に使われている国際音声記号(IPA)を使って解説をしていきます。
なぜ発音記号を覚える必要があるのか
発音記号を覚える理由は2つです。
・正しい発音が身につく
・リスニング学習の役立つ
正しい発音が身につく
発音記号があると、どんな辞書を引いても正しい発音がわかります。
わからない単語があった時に、毎回発音付きの辞書で検索することは大変です。
発音記号が載っていない辞書はないので、発音記号を覚えておくと単語のつづりと一緒に発音を覚えることができます。
リスニング学習の役立つ
発音記号を知っておくと、リスニング能力が上がります。
僕が大学で専攻してきた第二言語習得(効率のいい英語の習得方法を学ぶ学問)では「発音できる音は聞き取りやすくなる」という法則があります。
発音記号を覚えることで、正しい発音がわかり、英語を聞いたときに音が聞き取りやすくなります。
英語で使われる発音記号の一覧と音声
それでは、実際に発音記号を1つづつ解説していきます。
英語には子音(t、p、gなどなど)と母音(日本語で言うアイウエオ)があり、母音は短母音(伸ばさない音)と長母音(伸ばす音)に分かれています。
学者によって数え方は変わりますが、ここでは一般的な数え方で英語の音を分類していきます。
・短母音:8個
・長母音:8個(長母音は短母音の組み合わせです)
・子音:24個
全部40個です。
40と聞くとすごく多く感じると思いますが、、知っている音も多いので、実際に覚えなければいけないのは10個程度になります。
短母音の発音
[ʌ]
発音のコツ:日本語の「ア」とほぼ同じ発音。口をあまり開けずに「ア」の発音をする
trouble [trʌ́bl]
blood [blʌd]
[æ]
発音のコツ:「エ」の口で「ア」を発音する。カタカナだと「ェア」に近い。
cat [kæt]
tap [tæp]
[ɛ] or [e]
2つの表記がありますが、口の開け方が違うだけで英語では同じ発音です。
発音のコツ:日本語の「エ」とほぼ同じ発音。
send [send]
egg [eg]
[ə]
発音のコツ:「あ、UFO」の「あ」の感じで、口の力を抜いて「ア」と「エ」の中間の音を出す
about [əˈbaʊt]
sofa [ˈsoʊfə]
[ɪ]
発音のコツ:「イ」と「エ」の中間の音を出す
it [ɪt]
image [ˈɪmɪdʒ]
[ɑ] or [ɒ]
アメリカ英語では[ɑ] 、イギリス英語では[ɒ]と表記されます。
発音のコツ:口を丸くして「ア」と「オ」と中間の音を出す(「ア」に近い音)
hot [hɑt]
body[ˈbɑdi]
[ɔ]
発音のコツ:口を縦に開けて「ア」と「オ」と中間の音を出す(「オ」に近い音)
dog [dɔɡ]
call [kɔl]
[ʊ]
発音のコツ:いつもより唇を突き出して日本語の「ウ」に近い発音をする
book [bʊk]
hook [hʊk]
長母音の発音
はじめに紹介する4つの長母音は短母音の組み合わせでできているので、短母音を覚えてしまえば簡単です。
[ɑː]
発音のコツ:「ɑ」を伸ばして発音「アー」
art [ɑːrt]
arm [ɑːrm]
[iː]
発音のコツ:[i]を伸ばして発音
deep [diːp]
keep [kiːp]
[ɔː]
イギリス英語のみにある音です。アメリカ英語では短母音の[ɔ] になります。
発音のコツ:[ɔ] を伸ばして発音
walk [wɔːk]
water [ˈwɔːtə]
[uː]
発音のコツ:「ʊ」を伸ばして発音
boot [buːt]
blue [bluː]
「r」の発音が入る長母音
ここから「r」の音が入る母音です。
長母音の中に出てくる「r」は、舌先がどこにも当たらないように舌を奥に引っ込めて籠らせるようにして発音します。
2つ表記のあるうち、[r]が入っていないのはイギリスのアクセントです。
[ər] or [əː]
発音のコツ: [ə]の音の後に、舌を奥に引っ込める
standard [ˈstændərd]
percent [pərˈsɛnt]
[eər] or [eə]
発音のコツ:[e]の音に続けて[ə]の音を発音、その後舌を奥に引っ込める
air [eər]
bear [beər]
[ɪə] or [ɪər]
発音のコツ:[ɪ]の音に続けて[ə]の音を発音、その後舌を奥に引っ込める
hear [hɪər]
ear [ɪər]
[ʊr] or [ʊə]
発音のコツ:[ʊ]の音に続けて[ə]に音を発音、その後舌を奥に引っ込める
pure [pjʊər]
sure [ʃʊr]
子音の発音
子音は発音が似ている音が多いので、セットにして紹介していきます。
[t]・[d]
日本語のタ行、ダ行と同じなので特に練習する必要はないです。
[t]発音のコツ:日本語のタ行
[d]発音のコツ:日本語のダ行
top [tɑp]
dog [dɑɡ]
[k]・[g]
日本語のカ行、ガ行と同じなので特に練習する必要はないです。
[k]発音のコツ:日本語のカ行
[g]発音のコツ:日本語のガ行
cap [cæp]
gap [ɡæp]
[p]・[b]
日本語のパ行、バ行と同じなので特に練習する必要はないです。
[p]発音のコツ:日本語のパ行
[b]発音のコツ:日本語のバ行
pad [pæd]
bad [bæd]
[tʃ]・[dʒ]
日本語のチャ行、ジャ行と同じなので特に練習する必要はないです。
[tʃ]発音のコツ:日本語の「チャ・チィ・チュ・チェ・チョ」の音
[dʒ]発音のコツ:日本語の「ジャ・ジィ・ジュ・ジェ・ジョ」の音
check [tʃek]
jet [dʒet]
[s]・[ʃ]
この2つは間違えやすいので注意です。
発音は難しくないですが、どの単語がどっちの発音だったのか忘れがちです。
[s]発音のコツ:日本語のサ行と同じ
[ʃ]発音のコツ:日本語の「シャ・シィ・シュ・シェ・ショ」の音が入る
sea [siː]
she [ ʃiː]
sit [sɪt]
shit [ʃɪt]
[z]・[ʒ]
この2つも間違えやすいです。
発音自体は難しくないですが、[z]の発音と[ʒ]で単語が変わることがあるので注意。
[z]発音のコツ:日本語の「ズ」の音
[ʒ]発音のコツ:日本語の「ジ」の音
vision [ ˈvɪʒən]
boys [bɔɪz]
[f]・[v]・[h]
[f]と[v]は日本語で想像する発音と少し違います。
[f]と[h]の音が間違えやすいので気をつけてください。
[f]発音のコツ:上の歯で下唇を噛んでからを発音する
[v]発音のコツ:上の歯で下唇を噛んでから発音する。「ヴァ・ヴィ・ヴ・ヴェ・ヴォ」の音。
[h]発音のコツ:日本語のハ行と同じ発音
food [fuːd]
voice [vɔɪs]
hood [hʊd]
[m]・[n]・[ŋ]
日本語の発音と少し違います。
[m]発音のコツ:マ行を待つ音する前に「ン」を入れる
[n]発音のコツ:ナ行を待つ音する前に「ン」を入れる
[ŋ]発音のコツ:「ング」の「グ」を限りなく小さく発音。マンガの「んが」の部分の「が」を小さく発音するイメージ
map [mæp]
night [nʌɪt]
long [lɔŋ]
[θ]・[ð]
日本人が苦手としている発音です。
発音自体は難しくないんで、ゆっくり練習してみてください。
[θ]発音のコツ:舌先を歯ではさんで「ス」を発音する
[ð]発音のコツ:舌先を歯ではさんで「ズ」を発音する
think [θɪŋk]
there [ðɛr]
[l]・[r]
日本人が苦手としている発音です。
[l]は口を大きく開けても発音できますが、[r]は口を開けると発音できません。
口を開けて発音すると、正確な発音ができているかどうかを確認できます。
[l]発音のコツ:舌先を上の前歯に当ててラ行を発音
[r]発音のコツ:舌全体を奥にひっっこめて、舌先がどこにも当たらないようにしてラ行を発音
light [lʌɪt]
right [rʌɪt]
[j]
[j]発音のコツ:喉をしめて「イュ」と発音
yes [jɛs]
[w]
[w]発音のコツ:カタカタで書くと「ゥワ」に近い。唇を小さく丸めて発音する
win [wɪn]
音声記号を使った発音の練習
動画の音声と同じように発音できるか挑戦してみてください。
上の動画が「母音」下の動画が「子音」です。
まとめ
ここで紹介してきた英語の音は全部で40個ありますが、ほとんどの音は日本語と同じような発音なので、実際に覚えるのはそこまで多くありません。
・正しい発音ができるようになる
・リスニング力アップにも効果的
発音記号は英語学習の基礎になるので、ぜひ覚えてみてください。